扁桃腺炎から腎炎に『本当は怖いのどの腫れ~紅い兆し~』
扁桃腺の腫れが慢性腎炎を引き起こしたのはなぜ?
朝日放送 最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学 2006年4月18日放送分

●テーマ
『本当は怖いのどの腫れ~紅い兆し~』
●クランケ(=患者プロフィール)
氏名・年齢 H・Mさん(男性)/40歳(発症当時)
職業 サラリーマン
証券会社の営業課長H・Mさんは、子供の頃から扁桃腺が腫れやすいのが弱点。 大人になった今でも、無理をするとすぐのどが腫れ熱を出してしまうため、 風邪からくる発熱にも慣れっこになっていました。そんな中、毎年行なわれる健康診断で「タンパク尿」と診断されたH・Mさん。 何一つ自覚症状がなかったため、再検査を受けずにいましたが、翌日から奇妙な異変が起こり始めます。
●症状
(1)のどの腫れ
(2)尿が泡立つ
(3)透明な尿
(4)多尿
(5)口から尿の臭いがする
(6)呼吸困難
●病名
慢性腎炎(まんせいじんえん)
<なぜ、のどの腫れから慢性腎炎に?>
「慢性腎炎」とは、腎臓で炎症が発生。腎臓の働きが著しく低下し、最悪の場合、命にかかわる病です。 潜在的な患者まで含めると、40代,50代を中心に年間20万人から30万人がこの病気にかかっていると考えられています。
そんな慢性腎炎の発病が最も早く確実に分かるのが、他でもない尿の異変。そう、彼が軽く考えていたタンパク尿です。 そもそも腎臓の機能で一番大切なのは、血液に含まれるタンパク質などを体に取り込み、 不要な老廃物を尿とともに排出するというもの。
ところが、慢性腎炎になると腎機能の低下から老廃物をうまく排出せず、逆に、 体に必要なタンパク質を排出してしまう現象が起きます。そのため、タンパク質により尿が泡立つようになり、 老廃物が含まれない無色透明な尿になってしまうのです。
※自宅で尿検査してみたい方は尿試験紙で試してみて下さい。
排出されない老廃物は毒素となり、血液中に充満。そしてついに、この毒素に全身を蝕まれた結果、 心臓を冒され、心不全から呼吸困難に陥ってしまったのです。では、H・Mさんはいつ慢性腎炎になってしまったのでしょうか?
実は慢性腎炎は、
風邪で扁桃腺が腫れやすい人ほど、
かかる危険性が高いと考えられています。
子供のころからよく風邪を引き、扁桃腺を腫らしていたH・Mさん。 この時、炎症が起きた扁桃腺になんらかの原因で異常な物質が発生。 血管を通り腎臓に溜まり続けていたのです。
その後も風邪で扁桃腺を腫らすたび、H・Mさんの腎臓に溜まった物質は徐々に増加を続け、 ついに慢性腎炎を発症させてしまいました。この病気の最も厄介な点は、腎臓の機能が極度に低下するまで、 ほとんど自覚症状がないまま数十年をかけて悪化していくこと。 だからこそ、普段から尿の状態に気をつけることが大切なのです。
あなたは、扁桃腺が腫れやすい体質ですか?
あなたは、扁桃腺が腫れやすい体質ですか?
最近、尿が泡立つことはないですか?
もしかしてその尿、透明ではありませんか?
そのまま放っておくと、大変なことになりますよ。
<慢性腎炎にならないためには?>
(1)尿の色、尿の泡立ち具合、尿の回数など、普段から尿の状態に気をつけることが大切です。
(2)現在は市販の
尿検査紙
で簡単に尿の異変を調べることができます。
不安な方は一度試してみることをおすすめします。
※最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学の バックナンバーより引用させていただいています。