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扁桃腺の基礎知識

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扁桃炎とは

 扁桃炎とは、扁桃腺の炎症のことです。風邪の延長で起こることも多くあります。空気中には、目には見えない最近やウィルスが常に浮遊していて、扁桃腺がそれと戦っています。ところが、強い細菌やウィルスが侵入したり、過労などで免疫力が低下すると、戦いに負けてしまい炎症を起こすのです。

 また、口蓋扁桃にはもともと健康なときでもブドウ球菌や溶血性連鎖球菌などの細菌がいるのですが、普段は悪さをしないように免疫力が抑えています。ところが、やはり、風邪ウィルスなどに感染したり、免疫力が低下していると、そこにいた細菌が増殖し、扁桃腺に炎症を起こしてしまいます。

⇒溶連菌感染症とは⇒扁桃炎・咽頭炎改善体験談⇒扁桃炎予防のコツ


     


扁桃炎の症状

 扁桃腺が腫れてのどに痛みを感じます。また高熱を発し、高熱のために、全身の筋肉や関節にも痛みを訴えます。熱は数日で下がることもありますが、1週間くらい続くこともあります。また、耳への放散痛などの症状が現れたり、のどの痛みが激しくなると、飲むことも食べることもできなくなり、食欲不振になる場合もあります。

 扁桃腺の炎症が進むと、扁桃腺の周辺の粘膜まで赤く腫れ、扁桃腺の表面に白いブツブツや白いこけのようなものがついてきます。扁桃腺内部の炎症だけでなく、周囲の結合組織に炎症や細菌が広がり、扁桃腺の外側に膿が溜まる扁桃周囲膿瘍になると、貯まった膿を切って膿を出す必要があります。 抗生剤を点滴することで症状は軽快しますが、ぶり返しやすいです。 頸部に感染が及ぶと頸部膿瘍となり、致命になることがあります。

 溶血性連鎖球菌による扁桃炎の場合、合併症として腎炎、リウマチ熱を起こすことがあります。扁桃炎が治ってから10日から2週間後に、まぶたのむくみなどがあるようなら注意が必要です。とくに炎症が1週間以上も続く場合は要注意です。

 乾性咳嗽(かんせいがいそう)といって、「コンコン」という乾いた感じの「から咳」が出たり、扁桃炎が原因で蕁麻疹(じんましん)が起こることもあります(病巣感染による蕁麻疹)。

⇒扁桃病巣感染症⇒本当は怖いのどの腫れ(最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学)
⇒溶連菌感染症

扁桃周囲炎

 扁桃炎の炎症が長引いたり、扁桃炎の治療が不完全なときに炎症が扁桃腺の周囲にまで及んだものです。

扁桃周囲膿瘍

 扁桃腺内部の炎症だけでなく、周囲の結合組織に炎症や細菌が広がり、扁桃腺の外側に膿が溜まる状態。口が開けられない(開口障害)、ものが食べられないくらい痛く、白血球増加、高熱などがあります。さらに重篤な場合には、気道閉塞を起こして呼吸困難となることがあります。

 扁桃周囲膿瘍の検査は、膿瘍部を針で刺して膿汁が吸引されれば診断できます。膿瘍部が穿刺できない場合は、CTや超音波検査で膿瘍の場所を診断することもあります。扁桃周囲膿瘍の治療は、入院治療が必要となり、十分量の抗生剤を点滴投与して、局所切開と排膿します。一般的に切開と排膿により開口障害は急速に治っていきます。

急性扁桃炎

細菌感染または、ウイルス感染による扁桃腺の急性炎症のことです。扁桃腺が赤くなって腫れたり、白色の膿で覆われることがあります。急性扁桃炎の原因菌としては、化膿性連鎖球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌などがあります。

 急性扁桃炎の治療は、抗生剤・鎮痛剤の内服をします。炎症がひどい場合は、抗生剤の点滴を行います。痛みや発熱に対して座薬を使用することもあります。扁桃炎を繰り返す場合は、扁桃腺を摘出することもあります。

扁桃腺以外の咽頭の炎症が主な場合を急性咽頭炎と呼びます。急性咽頭炎の症状は、口を開けたときに見えるのどの突き当たり(咽頭後壁)が炎症により赤くなります。症状が悪化すると、炎症を起こした部分に、顆粒状の発疹ができ、さらには、口蓋扁桃のすぐ内側にある咽頭側索という部分が腫れたり、白い膿がついたりします。この状態になると、のどに強い痛みを感じ、物を飲み込むときに痛みをともないます。

慢性扁桃炎

慢性単純性扁桃炎
 慢性単純性扁桃炎は、急性扁桃炎のような高熱、咽頭痛、嚥下痛はなく、持続的なのどの痛み、乾燥感、違和感、微熱、刺激物がしみるなどの症状があります。口蓋扁桃は、暗赤色に発赤・充血しますが、腫脹・肥大はなくむしろ埋没します。膿栓や白苔の付着もはっきりせず、培養検査を行っても特異的な起因菌はなく正常細菌叢に近いです。

 慢性単純性扁桃炎は成人に発症し、小児にはほとんどみられません。慢性単純性扁桃炎は、急性扁桃炎から移行する場合と喫煙・飲酒・化学物質の吸入など、扁桃腺に対する炎症性物質の持続的刺激が原因となります。
習慣性扁桃炎
 習慣性扁桃炎は、急性扁桃炎を年に3〜4回以上繰り返すものです。習慣性扁桃炎は、小児に多く3〜4歳頃から発症し、5〜6歳でピークになります。大部分は10代で自然軽快しますが、一部が成人まで移行します。成人になってから発症するケースもあります。
 
 習慣性扁桃炎の症状は急性扁桃炎と同じで高熱、強い咽頭痛と嚥下痛などがあります。発熱、全身倦怠感、耳への放散痛などの症状もあります。安定期は無症状ですが、扁桃腺に膿栓付着し、頚部(首)のリンパ節が腫大して痛みを伴うことがあります。

 習慣性扁桃炎の検査は、急性扁桃炎とほぼ同じですが、細菌の慢性感染があることを示す血液中のASO、ASK測定を追加して行います。細菌培養ではA群β溶連菌、インフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などを検出します。


    


扁桃炎の検査

 扁桃炎の検査は、症状と扁桃腺の状態(扁桃腺の発赤、扁桃腺の腫れ、扁桃腺の膿栓付着(白い斑点が付いている)、頚部リンパ節腫脹)を観察します。血液検査では、白血球の増加、炎症の程度を診るCRP陽性などをチェックし、脱水の状態を診る尿検査を行います。また、扁桃腺の細菌培養検査を行うこともあります。


    


扁桃炎の治療

 解熱剤、鎮痛剤、抗生物質が処方されます。ウィルス性の扁桃炎の場合は、症状を抑える薬を使い治癒するのを待ちます。また、細菌性の扁桃炎の場合は、抗生物質を服用すると熱は数日で下がります。ただし、熱が下がったからといって服用をやめると再び炎症を起こすこともあります。

 扁桃炎を繰り返す場合は手術を行うこともあります。⇒口蓋扁桃摘出手術対応

扁桃腺摘出手術については下記リンク先をご覧下さい。
 手術内容手術費用入院期間手術のマイナス面扁桃腺手術と医療保険

病院からいただいた資料
 口蓋扁桃摘出手術について全身麻酔に関する資料T全身麻酔に関する資料U


扁桃炎予防のコツ
 扁桃炎に効果的な食品扁桃炎の治療薬とも言われている飲み物扁桃炎に効果的な健康食品
 のどに優しい生活5つのポイント


    


扁桃病巣感染症

 扁桃病巣感染症は、扁桃腺が病巣となって、身体各所(皮膚、腎臓、関節など)に二次疾患を生ずるものです。代表的な二次疾患としては、掌蹠膿胞症、IgA腎症、胸肋鎖骨過形成症、関節リウマチなどがあります。

掌蹠膿胞症:主に手のひらと、足底部にだけ小さな膿疱が多数現れ、赤くなり、皮膚がむけることを繰り返すものです。皮膚科の病気で、女性に多くみられます。原因としては、免疫異常、金属アレルギーなどがいわれていますが、現在では、扁桃病巣感染症が強く疑われています。口蓋扁桃を摘出することにより、皮診の改善・消失が80%以上にみられます。

IgA腎症:初期には血尿と浮腫(むくみ)などの症状があります。長期に見ると、進行性の病気で20〜40%が腎不全になります。IgA腎症の20〜30%は、扁桃炎に代表される上気道炎を契機に発症し、尿症状の悪化を繰り返します。口蓋扁桃を摘出することにより、尿蛋白の改善が50%以上にみられます。

胸肋鎖骨過形成症:鎖骨、胸骨、肋骨関節が腫脹し、痛みを伴います。口蓋扁桃を摘出することにより、疼痛改善が80%に以上みられます。


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⇒次は「口蓋扁桃摘出手術適応」(どういう状態だと手術を行うのか)

  

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